初個展の時に発表したお話しです。
「わたしの骸骨(ガイコツ)」









その1:ある日

私の彼は骸骨。ある日彼は不幸な事故で亡くなった。

七日七晩泣き暮らしたら ひょっこり この姿で帰ってきた。

以来、変わらず2人で暮らしている。

01_ある日







その2:普通の暮らし

私たちの暮らしはいたって普通だ。 一緒に海外ドラマを見たり


02_普通な日常








その3:普通の生活

なかよくお風呂にはいったりしている。特筆すべきものもない、普通の生活だ。

ただ、一歩外に出たら。。。

03_普通の生活








その4:嫌われる

私たちの普通は世の中の脅威になるようだ。誰とも目が合わず ヒソヒソ声は止まらない。

ネギ一本買いに行くのにも勇気が必要だ。なるべく外に出ないよう、ビクビクと暮らしている。

それはなかなか辛かった。私は、私たちの事を理解してくれる人が欲しかった。

04_世間には脅威









その5:母に打ち明ける

せめて母には理解して欲しかった。

親を泣かせてしまった。

05_母に伝える








その6:終末ダンス

いっそのこと、この世が終わってしまえばいいのに。

終末の日が来たら、世界一楽しく踊って過ごす自信があるのに。

暗い妄想はやめよう。

私は骸骨彼氏持ち10年の大ベテランあけみさんに助言を求め 会いに行った。
06_終末ダンス








その7:あけみさん

あけみさん、母も世間も世知辛いです。どうしたらいいのですか?

そんなことで悩むのぅ?幸せを望むのはあなたなのだから

お母さまも世間さまも関係ないじゃないのぅ。

07_あけみさん








その8:土に還る

あけみさんは達観しすぎだ。参考にならないや。

あーいっそのこと、私も一緒に骨になりたいよ。また暗い妄想をしてしまった。

08_土に還る









その9:能天気

あれ?どうしたの?お腹へったんでしょ?僕も腹減った!

ガイコツ彼氏はおそろしく能天気。悩んでいるのがバカバカしくなった。

09_彼は能天気









その10:開き直り

ビクビク暮らすのはもうやめた。

こうなったら開きなおろうと 知られざる骸骨彼氏との生活をネットに大公開した。

そこそこ反響があったので彼にSNSでアフィを運営させた。まあまあ稼げるようになった。

10_ネットに大公開_02
10_ネットに大公開














その11:SNSウケ狙い

調子にのってSNSウケする写真をどんどんアップした。

人気はどんどん出た。面白くなって毎日投稿した。

同時に強烈な悪口もたくさん言われるようになった。

その中には実名で批判してくる人たちもいたので会ってみることにした。

11_sns受けを狙う














その12:アンチの悲しみ

彼女たちは、わたしたちと同じ 元は骸骨彼氏のパートナーをもつ者だった。

ただ、その生活に疲弊し 愛情も薄れ 骸骨彼氏を無に帰した人たちだった。

彼女たちの虚無感、罪悪感は凄まじい。

能天気に暮らしているわたしたちの存在そのものが耐えられないようだった。

12_アンチな2人















その13:小声の宣言

そうか、愛情が消えたら彼も消えてしまうのか。

骸骨彼氏が自分の親や友達に連絡しないのはそいういう事なのか。

大きい声で宣言はできないけれどもわたしの思いをなめないでいただきたい。

13_小声の宣言














その14:明るい気もち

同じ骸骨パートナー持ちの方達とお互いに連絡を取り合うようにした。

わたしはネットで稼いだノウハウを伝え、彼らからは地域と孤立せず、

うまく付き合っていく方法を教えてもらった。

骸骨たちはみな能天気な方ばかりだった。とても とても明るい気もちになった。

14_協力















その15:海へ

わたしの骸骨との生活は 親を泣かすし、まだまだ周りに脅威を与えている。

ですが、わたしは わたしが決めた わたしの人生をささやかに歩むのだ。


15_海へ









以上です!ありがとうございました。
2月8日からの展示「スキー スキー スキー」ではこのガイコツカップルもちょと登場します。
よろしければぜひぜひお越しください!!
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「スキー スキー スキー」